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パ・リーグはソフトバンクとファイターズが巻き返す。ポイントは?――建山義紀の「野球プロ目線」

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打撃好調のチームとそうでないチームの差は?

 興味深いのは、パ・リーグの上位チームはチーム好調の要因である打撃陣に関してワールドベースボールクラシック(WBC)の影響を受けていない点です。

WBCではメキシコ代表の主軸として活躍したレアードも4月は不調に悩まされた。

ファイターズは、中田翔選手とレアード選手という昨シーズンの打点王、ホームラン王が、ホークスは内川聖一選手こそ気を吐きましたが松田宣浩選手、デスパイネ選手が開幕後大きく調子を落とし、チームの勝敗に影響を与えました。一方で、イーグルスの打撃陣でWBCに出場したのはアマダー選手のみ。バファローズにはいません。

 冒頭に私の予想が外れた、と書きましたがそのふたつめがまさにこの点で、WBCの影響はピッチャーに出ることでチームの順位に変動がつくだろうと考え、バッターにはそれほどではないのではないか、と思っていたことでした。

 もちろん、武田翔太投手やバンデンハーグ投手のように再調整が必要であったり、球数に制限を設けたりする投手もいます。イーグルスの則本昂大投手も本調子とはいえないなど影響は出ていますが、チームの勝敗に直結するところで言うと、バッターへのマイナスのほうが大きく影響しているように見受けられるのです。

 ではこの状況がどう変わっていくでしょうか。

 私としては、やはり「二強」の復活は間違いないだろうと考えています。故障者が多かったため、帰ってくる選手が多い、というのは、見方を変えればこれからプラスの要素が多い、ということでもあります。ファイターズの場合は我慢すべき4月であまりに大きな借金を抱えてしまいましたが、ホークスに限っていえば戦力のレベルが圧倒的であるため、どんどんと調子を上げてくるだろうと思います。

 ファイターズの鍵となるのはまず有原航平投手の存在でしょう。彼がエースとして存在感を発揮することができるか。もはやローテーション3、4番手で二桁勝利できる投手ではいけません。エースとしての働きが求められている。

 飛車角抜きでの戦いに耐え、これからのシーズン、パ・リーグはまだまだ混戦となっていくように思います。

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建山 義紀

たてやま よしのり

1975年12月26日生まれ。大阪府出身。 98年ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団。ルーキーイヤーから先発ローテーションに定着し、6勝をあげる。以降、セットアッパー、ストッパーなどで活躍、日本一にも貢献。2010年オフ、FA権を行使しMLBのテキサス・レンジャーズに入団、13年にはNYヤンキースへ移籍。2014年6月に日本球界復帰(阪神タイガース)しこの年、現役引退。野球解説者として活躍中。


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